SPレコード落語特選 初代桂春團治編 六 再生時間:1時間2分50秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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初代桂春團治の名席・珍席をSP音源から復刻
四代目 桂文我氏の解説付きでお贈りします。掛けられる時や場所により、演目の表現や長さも違い一粒で何回も楽しめるのが落語の奥深さです。本シリーズは、数多ある初代桂春團治のSP音源を掘り起こし、いくつかのレコード会社の垣根を越え、同席なども比較し楽しんでいただけます。
落語のSPレコードの成り立ち
明治36年(1900年)、ビクターの子会社であったアメリカのレコード会社・英国グラモフォンのプロデューサー・録音技師のフレッド・ガイズバーグにより、ホテルの一室をスタジオ代わりにして、日本で最初の平円盤式レコードの出張録音が行われました。その時の録音に適する芸能と演者の選択を任されたのが、外国人の噺家のパイオニア・初代快楽亭ブラックで、落語・義太夫・能楽謡・音曲などを、当時の名人や人気者が次々に吹き込み、7インチ盤と10インチ盤の合計273枚が完成。
その中には、ブラックの落語も9枚含まれていました。
初代桂春團治について
本当の初代桂春團治に功績がなかったため、明治中期から昭和初期まで、関西で絶大な人気を得た二代目を、後々、初代と呼ぶようになりました。明治28年(1895年)、18才で初代桂文我に入門し、桂我都と名付けられましたが、日常の素行が悪かったため、「もっと厳しい噺家の許で修業をさせた方が良かろう」と考えた文我が、二代目桂文團治(後の七代目桂文治)に預け、桂春團治に改名。
素行の悪さは直りませんでしたが、高座が抜群に面白く、次第に人気が高まり、SPレコードの吹き込み数もナンバーワンになったのです。
創成期の吉本興行の稼ぎ頭で、高給取りとなりましたが、放蕩三昧の借金だらけ。 会社に無断で放送に出たり、煎餅で拵えたレコードに吹き込んだり、奇行が人気を高める要因となりましたが、寿命には勝てず、昭和9年(1934)10月8日、胃ガンで没しました。
享年57、戒名は華光春團治道居士。
演目解説
『お伊勢参り』『伊勢参宮』上方落語には、喜六・清八が伊勢参りの道中記を駅伝形式にした落語が、25席ほどあります。大阪から見て、伊勢は東の方角に該るため、これらのネタを『東の旅』と呼びました。
伊勢参りのネタには違いはないのですが、初代春團治が吹き込んだ『お伊勢参り』と『伊勢参宮』は喜六・清八のネタではなく、『百人坊主』と言われている落語で、東京落語では『大山詣り』として語り継がれてきました。
初代春團治のSPレコードでは、『百人坊主』の幕開けのみを吹き込んでいます。
『あんま炬燵』
近年は『あんま炬燵』と呼ばず、『人炬燵』『人間炬燵』として上演する場合もあるようです。
目の不自由な方の虐待になるのではないかという遠慮もあり、構成・演出も際どさを軽くすることもあるようですが、本人も承知の上で趣向に参加するのですから、普通に演じる方が良いように思いますが、如何でしょうか?
二代目春團治の音源も残っていますが、天真爛漫に演じ、爆笑を誘っています。東京落語では、昭和の名人と言われた八代目桂文楽が、『あんまの炬燵』という演題で上演していました。
収録内容
春團治について(桂文我) 約14分『お伊勢参り』『伊勢参宮』演目解説(桂文我) 約5分
『お伊勢参り』ニットーレコード 約14分
『伊勢参宮』テイチクレコード 約13分
『あんま炬燵』演目解説(桂文我) 約4分
『あんま炬燵』タイヘイレコード 約12分
シリーズ一覧
SPレコード落語特選 初代桂春團治編 一SPレコード落語特選 初代桂春團治編 二
SPレコード落語特選 初代桂春團治編 三
SPレコード落語特選 初代桂春團治編 四
SPレコード落語特選 初代桂春團治編 五
SPレコード落語特選 初代桂春團治編 六