日本怪談全集 四 (3) 再生時間:2時間42分56秒 提供:パンローリング |
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内容紹介
怪談文芸の大家としても知られた田中貢太郎が二十年の歳月を費やして集め得た、怪異恐怖記録の集大成 第四弾、26話収録
怪談文学の第一人者ともいえる田中貢太郎が、二十年に渡って書き上げてきた作品を蒐集した「日本怪談全集」第四巻の登場です。
「貧乏神物語」
文政四年の夏。番町に住む旗本の用人は、主家の費用をこしらえに、下総にある知行所に往っていた。主家はここ近年不運に見舞われ、困窮していたのである。用人が歩き歩き火打石を打って火を出し、それで煙草を点けて吸いながらちょと自分の右側を見た時であった。
「どうか火を貸しておくれ」
と、一人の旅僧が近寄ってきた。用人が火を貸すと、旅僧は越谷に向かっているのだという。どこから旅に出たのかを尋ねると、
「わしかね、わしは番町の――の邸から来たものだ」
という。それは用人の仕えている主家であり、主家の名を騙っているこの旅僧の正体を暴いてやろうと用人は息巻くのだが……
「不動像の行方」
土佐藩主の一族、山内監物は未明からの山稼ぎに疲労し切って、ある寺で休息をとる。その寺の薬師堂にあった不動像を強引に持ち出し、家に飾って喜んでいた監物だが、初冬のある日の夜、監物が酒の後で飯を喫おうとした頃から、急に大きな雷鳴が始まったかと思うと、激しい雨が降り出した。翌日になって村の人は不思議な雷鳴についてこう噂した。
「雷鳴の最中には、監物殿のお邸のうえのあたりから、火の団が、四方八方に飛び散った」……
内容項目
海異志虫採り
貧乏神物語
不動像の行方
白っぽい洋服
忘恩
赤い鳥と白い鳥
蛇性の婬
女の姿
藍微塵の衣服
鬼熊一代記 1
白い花赤い茎
蛇怨
月光の下
水郷異聞 1
藤の瓔珞
恵比寿の賭博
雁
猿の話
淡山子の奇談新編
義人の姿
焦土に残る怪
机の抽斗
男の顔
追っかけて来る飛行機
老猿の復讐
著者情報
田中貢太郎(たなか こうたろう)
田中貢太郎は日本の作家。高知県出身。号は桃葉。『田岡嶺雲・幸徳秋水・奥宮健之追懐録』が出世作となる。「中央公論」の「説苑(ぜいえん)」欄に実録.情話.怪異譚を書き、井伏鱒二・尾崎士郎らと随筆誌『博浪抄』を創刊。著作は伝記物、紀行文、随想集、情話物、怪談・奇談など多岐に渡る。代表作『旋風時代』では明治維新の顕官の情痴の生活を奔放に描いて独自の境地を開いた。1940年菊池寛賞受賞。『怪談青灯集』など怪談物も書き.『聊斎志異 (りょうさいしい) 』の翻訳もある。作品一覧
本作は分割収録となり、以下の項目にて1つの作品となっています。タイトル末尾のカッコ付きの数字が順序となります。各項目にはそれぞれのリンクから移動して再生して下さい。日本怪談全集 四 (1)
日本怪談全集 四 (2)
日本怪談全集 四 (3)
日本怪談全集 四 (4)