モノグラム 朗読:西村健志 再生時間:41分49秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
再生速度
- x0.5
- x0.75
- x1
- x1.25
- x1.5
- x2
- x3
- x4
会員登録をすれば、全作品が聴き放題。入会月は無料です。
すでに会員登録済みの方は、こちらからログインして下さい。
内容紹介
私は、勤めていたある工場の老守衛である栗原一造から、妙な経験談を聞かされた。仕事を失って浅草のベンチで途方に暮れていた栗原は、三十前後の若者に突然声を掛けられた。
「どっかで御眼にかかりましたね」
田中三良と名乗った彼のことを栗原は知らなかったが、その笑顔に不思議な親しみを感じるのだった。
栗原はまあ暇つぶしとばかりに色々と互いのことを話し合うが、一向に話がかみ合わない。それでも彼が知らない相手とは思えず、正体を思い出せないままで連絡先を交換して栗原は帰宅した。
その後も若者と度々会うようになる栗原だったが、ある日、彼から「もしかして北川すみ子という女をご存じじゃないでしょうか」と切り出された。
田中は驚いた。その名は今も忘れられない片思いの相手だったのだ……