指環 朗読:西村健志 再生時間:9分20秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
再生速度
- x0.5
- x0.75
- x1
- x1.25
- x1.5
- x2
- x3
- x4
会員登録をすれば、全作品が聴き放題。入会月は無料です。
すでに会員登録済みの方は、こちらからログインして下さい。
内容紹介
二人の男が話していた。いつかも汽車で一緒になったとAが切り出し、Bも思い出したという。AにとってBは見ず知らずのAに突然蜜柑を勧めてくる不思議な人であった。
話はその時の続きに至る。そうこうしているうつに隣の一等車から興奮した人々がどやどやとやって来た。その一人である車掌はBに向かって「ちょっと君、失敬ですが」と切り出した。Bはある貴婦人の指輪を掏ったと疑われていたのだった。Aは全く動じず潔白を主張するBの態度をなかなかのものだと思っていた。
互いに腹の読み合いのような会話を交わす中、Bは口調を変えてこう言った。
「オイ、いい加減にしらばくれっこは止そうじゃねえか」
その言葉にAもフンと鼻で笑う。そして二人はその指輪の行方について話し出すのだが……