疑惑 朗読:野口晃 再生時間:1時間20分31秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
父が殺された。深夜一時ごろ、家の庭で斧か鉈のような刃物で頭を割られたのだ。母、兄、おれ、妹――家族全員に疑いが掛かった。
第一発見者は妹だった。現場には兄とおれしか持っていない麻のハンカチが落ちていたという。兄は父の遺体の前で着物の帯を落とし、それを拾うふりをして何かを拾った。おれは兄を疑っている。あのハンカチだって兄のものに違いないのだ。
だが、兄は母を犯人だと思っていた。母は父の暴虐を二十余年もの間耐え忍んできたのだ。兄が現場で拾ったのは母の櫛だったのか……?
そして、妹はおれが犯人だと疑っている。
家族同士が疑い合う地獄……だが事件から一か月後、とうとうおれは犯人を突き止めたのだ。それは……