双生児 朗読:野口晃 再生時間:54分19秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
死刑執行が段々近づいて来たある日、私は先生に告白した。私は一人の男を殺して、その男の金庫から三万円の金を盗んだ罪のために死刑の宣告を受けたのだが、告白はその事件のことではない。それ以前に自身の犯した重大な殺人事件――兄を殺したことであった。
兄と私は双生児であり、顔から形から寸分違わぬ容貌を持っていた。
だからこそ、兄を殺した翌日から私は鏡を恐れるようになった。
鏡だけでなく物の姿の映るあらゆるものを見るたびに、自分の殺した兄に睨みつけられているような錯覚に襲われるようになった。殊に牢に入ってからは酷いもので、その幻影から逃れることが全く出来なくなってしまったのだった。
私は、兄を殺すに至った動機と、その手段について事細かに話し始めた……