平家物語 巻第十 再生時間:2時間11分48秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
南北朝時代の琵琶法師・覚一(かくいち)が1371年に完成させたといわれる覚一本を、割愛することなく原文のまますべて収録しています。寿永三年二月七日、摂津国一の谷にてうたれし平氏の頸共、十二日都へいる。平家にむすぼほれたる人々は、わが方ざまにいかなるうき目をか見むずらんと、なげきあひかなしみあへり。(巻第十・首渡)
巻第十 収録内容
巻第十は、寿永三年(1184年)の二月から年の暮れまでを描く。一の谷の敗戦で平家は数多く討たれた。平重衡は生捕りになり、平維盛は出家したのち入水する。生捕りにされた平重衡は関東に下向する。頼朝と対峙した重衡の態度に周囲は感服し、また、内裏女房や千手前など、重衡を心から慕う女たちもいた。
平維盛は八島を抜け出し熊野へ行き、出家する。妻子への思いを断ち、那智の海に入水して果てる。都では三種の神器がないまま新天皇(後鳥羽天皇)が即位する。
01 首渡(くびわたし)
一の谷で討ち取られた平氏の首が都に到着する。源範頼(のりより)・義経(よしつね)の主張でそれらの首は京中に晒された。
02 内裏女房(だいりにょうぼう)
生捕りにされた平重衡(たいらのしげひら)は京中を引き回される。三種の神器と引き換えに重衡を釈放するとの院宣が出される。重衡はかつてなじみのあった女房に対面する。この女房は、のちに重衡が処刑されると出家し、重衡の菩提を弔った。
03 八島院宣(やしまいんぜん)
院宣が八島にいる平家に伝えられる。三種の神器を都に返せば重衡を許すという内容であった。
04 請文(うけぶみ)
二位の尼は重衡を助けたいと主張するが、平家一族は反対し、院宣を拒否する内容の請文を送った。
05 戒文(かいもん)
重衡は出家を望むが許されず、やっと法然上人との対面を許される。重衡の懺悔を聞いた法然は極楽往生に至る道を説き、重衡に戒を授けた。重衡は布施として硯を渡した。
06 海道下(かいどうくだり)
頼朝の要求により重衡は鎌倉に護送されることになる。道中、歌枕や名所旧跡を過ぎ、池田の宿で侍従と歌の贈答をした後、重衡は鎌倉へ入る。
07 千手前(せんじゅのまえ)
頼朝に見参した重衡の態度は堂々としたものであった。身柄を預かった狩野介宗茂(かののすけむねもち)は重衡を丁重に扱う。頼朝は千手前を重衡のところへ遣わし、千手前は朗詠や歌の相手をして重衡を慰める。重衡の死後、千手前は出家して重衡の後世を弔った。
08 横笛(よこぶえ)
八島を脱出した平維盛(たいらのこれもり)は妻子に会いたい心を抑えて、高野山の滝口入道のもとへ行く。滝口入道はもとは武士であったが、身分の低い横笛との恋を父にいさめられて出家し、仏道修行をしてきた人物であった。
09 高野巻(こうやのまき)
維盛は滝口入道を先達として高野山を巡り、奥の院に参拝した。醍醐天皇の時、勅使の前に入定した弘法大師が姿を現し、弥勒の出現を待っていると告げたという。
10 維盛出家(これもりのしゅっけ)
維盛は従者の与三兵衛重景(よそうびょうえしげかげ)・石童丸(いしどうまる)とともに出家し、舎人の武里(たけさと)には自分の最期を八島の平家一門に伝えよと言い含める。熊野へ向かう途中、維盛とすれ違った湯浅宗光(ゆあさのむねみつ)は維盛と知りつつ一礼して通り過ぎる。
11 熊野参詣(くまのさんけい)
維盛は熊野を参詣しながらも妻子への思いが捨てきれない。那智では、維盛を見知っている僧がいて、かつての平家の栄華をしのび、涙を流す。
12 維盛入水(これもりのじゅすい)
維盛は入水するために船に乗り、那智の沖へ漕ぎ出したが、妻子への思いを断ち切れない。滝口入道は往生を説き、維盛はついに入水する。二人の従者も後に続いた。
13 三日平氏(みっかへいじ)
舎人武里が八島に帰り、維盛の遺言を伝えると平家の人々は涙を流した。平頼盛(よりもり)は関東へ下向し、源頼朝の歓待を受けるが、頼盛の家臣・弥平兵衛宗清(やへいびょうえむねきよ)は平家をおもんぱかり同行しなかった。伊賀・伊勢平氏が蜂起するがすぐに鎮圧される。維盛の北の方は夫の死を聞き、出家した。
14 藤戸(ふじと)
都では後鳥羽天皇が三種の神器なしで即位する。源範頼軍と平家軍は備前国藤戸で海をはさんで対戦する。船のない源氏は攻撃できずにいたが、佐々木三郎盛綱(ささきさぶろうもりつな)がひそかに地元の男から浅瀬を聞き出し、渡海して平家軍を攻める。
15 大嘗会之沙汰(だいじょうえのさた)
義経は検非違使五位尉となり九郎大夫判官と呼ばれる。大嘗会が催されたが、人々は源平の戦で疲弊していた。範頼は続いて平家を攻めることをせず、そのまま年が暮れた。
シリーズ一覧
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