自助論~新訳完全版~第十三章 再生時間:1時間22分25秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
天は自ら助くる者を助く
本オーディオブックは、1858年にイギリスで上梓された『自助論』の改訂版を現代語にて全文を完全新訳し、朗読したものである。
人は成功を命ずることはできない。努力してこそ、成功を手にすることができるのだ
前書は、アメリカで出版されたのを始め、イギリス国内はもちろん世界各国にて翻訳され、今尚、読み継がれるロングセラー書。
日本国内では、中村正直が翻訳『西国立志編』として刊行。明治の終わりまでに100万部以上の売上をあげた。
本オーディオブックは、全十三章からなる「自助論」の第十三章
本書の主旨は、みなさんが正しい目的に向かって力いっぱい努力すること―、苦労や苦しみ、屈辱から逃れることも、他者からの支援や保護に頼りきることもなく、自分自身で活路を切り開けるように導くことだ。自分自身を助けることは、突き詰めて考えれば、周囲の人を助けることにつながる。
本書で取り上げたさまざまな実例――文学者や科学者、芸術家、発明家、教育家、慈善家、宣教師、殉教者たちの生き様―を見れば、それが分かるはずである。
優れた人物が、自らの理想を追求するなかで失敗することはもちろんある。しかし、失敗しようと思って失敗したわけでもなければ、失敗してよかったと考えているわけでもない。よからぬことを追求して成功するのは恥ずべきことだが、理想を追求して失敗するのは名誉なことである。
しかし、理想を追求して成功するほうがそれよりもっといい。
どんな場合でも一番大事なのは結果ではなく、その目的であり、価値ある目的の実現に向けて注ぐ努力と忍耐、勇気、不屈の闘志である。
内容項目
第13章 人格――ほんものの紳士 CHARACTER――THE TRUE GENTLEMAN●人格者たれ
●正しい心を持ち続けることが成功への道
●“信条”という名の習慣
●礼節を重んじる
●真の紳士グラント兄弟
●紳士という名の人格者たち
●勇者であれ
●騎士道精神
●分け隔てない優しさが人格者の条件
~本文より抜粋~
「才能は静けさのうちに築かれ、
人格は世の波にもまれながら築かれる」
―――ゲーテ
「国を興し、国を強くし、国を尊からしめるもの――国威を遠くまで及ぼし、道徳心を高め、尊敬を集め、人びとを従わせ、人びとを導き、他国のプライドを打ち砕くもの――権威をつける道具となり、卓越の源泉となり、真の王位につかしめるもの――それは、優れた血筋でもなく、優れた地位でもなく、優れた才能でもない。優れた人格である。それこそが真正なる勲章なのだ」
―――「タイムズ」誌
この世における真の栄冠は、優れた人格である。人が持ち得る最も高貴な宝であり、それ自体が立派な身分となり、広く信用を集める財産となる。どんな身分の者にも威厳を与え、社会的地位を高める。その力は富よりも強く、名声を手にしたとしても、ねたまれることがない。優れた人格はいつでも、過つことなく、大きな影響力を持つ。なぜならそれは、信義、誠実、節度といった、何よりも人びとに信頼され尊敬される資質から生まれるものだからだ。
立派な人格は人間の最良の特性であり、個々の人に備わる道徳心である。人格者は社会の良心であるだけでなく、国をよく治めるための原動力となる。世界を律するのは、高い道徳心だからだ。戦時下においてさえ、道徳心は身体的な力の10倍も威力を発揮するとナポレオンは言っている。国の力、産業、文明といったものはすべて、国民一人ひとりの人格のありようにかかっており、安全な社会基盤もその上に築かれる。法も制度も国民性から生じたものにすぎない。天の絶妙な配剤のもと、個人も民族も国家でさえも、それぞれにふさわしいものを手にするのである。けっして、それ以上でもそれ以下でもない。原因があって結果があるように、人びとはその人格に見合った結果しか得られないのである。
「知識は力なり」と言われるが、さらに深遠な意味でいえば「人格は力なり」だ。心を伴わない知識、品行を伴わない知性、善意を伴わない才気ももちろん力ではあるが、それらは害悪をもたらす力となりかねない。たしかにそういった力で何かを学び取ったり、楽しんだりすることはあるだろう。しかし、手先の器用なスリや、馬の乗りこなしがうまい追いはぎが尊敬できないように、それらを尊敬することはできない。