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源氏物語(二十一) 少女(おとめ)

源氏物語(二十一) 少女(おとめ)

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内容紹介

与謝野晶子による現代語訳を朗読しオーディオ化しました。

多様な人物たちの織り成す複雑な心理描写を、分かりやすく情感豊かに読み上げました。またそれぞれの帖の冒頭では翻訳者の与謝野晶子が、その帖の内容を一首の歌にして見事に表現しています。

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源氏物語は、紫式部によって書かれた全五十四帖から成る長編小説。

期間にして74年、四代の天皇の御代に渡る壮大な物語であり、その文章の構成や美しさ、人物の心理描写の面などからも、日本の文学史上最古にして最高傑作とも言われています。

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源氏物語 第二十一帖 少女(おとめ)

光源氏の息子である夕霧の元服が執り行われることになった。夕霧の官位は当然高いものと世間では思われていたが、源氏は夕霧を六位とした。あまりに低い官位に祖母の大宮は不平を述べたが、源氏は、身分に頼っておごった人生を送るのではなく、きちんと学問をおさめて立身出世をさせたいという考えを示すのだった。 夕霧は六位にがっかりしたものの、早く学問を修めて世間に認められたいと考え、大学寮に入り、大宮の家から二条の東の院へ移って勉学に励むようになる。

このころ、冷泉帝の后が決まることになっていた。三人の女御(にょご)が候補にあがっていたが、やはり源氏が推す斎宮(さいぐう)の女御(=秋好中宮)が后に決まった。このとき源氏は太政大臣に昇格し、大納言(かつての頭の中将)も内大臣となった。

内大臣には雲居の雁(くもいのかり)という娘がおり、大宮の家で育てられていた。同じく大宮のところにいた夕霧とは幼馴染で、仲良く過ごすうちにお互い惹かれあうようになっていた。

ある日、内大臣は大宮を訪ね、雲居の雁を近々東宮に入内させる考えを伝えるが、その帰りに、女房たちの噂話から夕霧と雲居の雁の関係を知ってしまう。立腹した内大臣は大宮に苦情を申し立て、雲居の雁を強引に自邸に引き取るのであった。離れ離れになった若い二人はただ嘆き悲しむばかりでる。

夕霧は、六位であることから乳母からも蔑まれたことを悔しく思った。新嘗祭で見かけた五節の舞姫にも心惹かれるが、雲居の雁のことも思われて、悶々と日を過ごしていた。源氏は花散里に夕霧の世話を頼むことにした。

源氏がかねて造営していた六条院がついに完成した。南東は春を配した源氏と紫の上の住まい、北東は夏を配した花散里と夕霧の住まい、南西は秋を配し、今は后となった秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)の里下がりの住まい、北西は冬を配した明石の上の住まいであった。


著者、翻訳者情報

作者:紫式部(むらさきしきぶ)

平安時代中期の女性作家、歌人。中古三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人。父は越後守・藤原為時。母は摂津守・藤原為信女。夫である藤原宣孝の死後、召し出されて一条天皇の中宮であった藤原彰子に仕えている間に『源氏物語』を記した。


現代語訳:与謝野晶子(よさの・あきこ)

作家、歌人。大阪府堺市生まれ。旧姓は鳳(ほう)。本名「志よう」。幼少時から文学や古典に親しみ、10代半ばで和歌を投稿するようになる。歌人・与謝野鉄幹が創立した新詩社の機関誌「明星」に歌を発表。鉄幹と恋仲となり鉄幹とともに上京し、処女歌集「みだれ髪」を刊行。のち鉄幹と結婚し、「小扇」「舞姫」「夢之華」などの歌集を刊行し、女流歌人としての名声を確立。その他作品には、「君死にたまうことなかれ」「常夏」「佐保姫」「春泥集」「青海波」「夏より秋へ」「朱葉集」「火の鳥」「太陽と薔薇」などがある。


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