源氏物語(二十四) 胡蝶(こちょう) 再生時間:45分30秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
再生速度
- x0.5
- x0.75
- x1
- x1.25
- x1.5
- x2
- x3
- x4
会員登録をすれば、全作品が聴き放題。入会月は無料です。
すでに会員登録済みの方は、こちらからログインして下さい。
内容紹介
与謝野晶子による現代語訳を朗読しオーディオ化しました。多様な人物たちの織り成す複雑な心理描写を、分かりやすく情感豊かに読み上げました。またそれぞれの帖の冒頭では翻訳者の与謝野晶子が、その帖の内容を一首の歌にして見事に表現しています。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
源氏物語は、紫式部によって書かれた全五十四帖から成る長編小説。
期間にして74年、四代の天皇の御代に渡る壮大な物語であり、その文章の構成や美しさ、人物の心理描写の面などからも、日本の文学史上最古にして最高傑作とも言われています。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
源氏物語 第二十四帖 胡蝶(こちょう)
三月となり、六条院の春の御殿はまさに春爛漫の景であった。光源氏は春の宴を催し、池に唐風の船を浮かべ、女房たちを乗せて船楽をしたりして、華やかに過ごしていた。宴に招かれた若い公達(きんだち)たちの真の目当ては、玉鬘(たまかずら)である。数多い求婚者のなかには、源氏の異母弟・蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)や、内大臣の息子・柏木(かしわぎ)、髭黒(ひげくろ)の右大将もなどもいた。
玉鬘は、実父である内大臣に娘だと名乗り出たい気持ちはあるが、源氏の庇護のもとにあってはそれもままならず、思い悩んでいた。
たくさんの恋文が玉鬘に寄せられていた。源氏はその手紙を見て、玉鬘にその恋文の対処の仕方などを事細かに話し、ときに返信を書かせたりした。
源氏は、玉鬘を結婚させてから内大臣と親子の対面をさせようと思うものの、ふさわしい相手はなかなか見当たらない。そして、美しい玉鬘を目の前にして、わきあがってくる恋愛感情を抑えることが難しくなっていた。ついに源氏は玉鬘に自分の恋心を吐露するが、玉鬘は困惑し動揺するばかりであった。その日、源氏は夜が更けても玉鬘の寝所から退出せず、玉鬘と添い寝をする。玉鬘はなさけなく思い、涙を流す。
これ以上のことはしないという源氏であったが、玉鬘は嘆き悲しみ、深く思い悩むのであった。