源氏物語(二十八) 野分(のわき) 再生時間:39分58秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
与謝野晶子による現代語訳を朗読しオーディオ化しました。多様な人物たちの織り成す複雑な心理描写を、分かりやすく情感豊かに読み上げました。またそれぞれの帖の冒頭では翻訳者の与謝野晶子が、その帖の内容を一首の歌にして見事に表現しています。
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源氏物語は、紫式部によって書かれた全五十四帖から成る長編小説。
期間にして74年、四代の天皇の御代に渡る壮大な物語であり、その文章の構成や美しさ、人物の心理描写の面などからも、日本の文学史上最古にして最高傑作とも言われています。
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源氏物語 第二十八帖 野分(のわき)
六条院では、さまざまな秋の草花がさかりとなり、風流で優美な秋の野の景色を織りなしていた。折しも野分(台風)が近づいて、強まる風に人々は秋の草花を心配していた。紫の上もこの野分を案じて、軒先まで出て庭の草木をながめていた。たまたま訪れていた光源氏の息子・夕霧(ゆうぎり)はその姿を垣間見てしまい、格別の美しさに心を打たれる。その後、夕霧は大宮のところへ野分のお見舞いにうかがうが、紫の上のことが頭から離れないのであった。
夜が明けて雨が降り始めた。夕霧は戻って、花散里(はなちるさと)の様子を確認し、さらに源氏に状況を報告しに行く。夕霧の様子がいつもと違うことに気づいた源氏は、もしや紫の上の姿を見たのではないかと疑う。
源氏は夕霧をともなって、秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)、明石(あかし)の君のところへ野分のお見舞いに行く。そして、玉鬘(たまかずら)のところにも訪れるが、あまりにも親しげにしている源氏と玉鬘の様子をこっそりと見た夕霧は、親子であるのにどういうことであろうとあさましく思うのだった。
その後、花散里を見舞い、源氏は帰っていった。夕霧は心配していた妹の明石の姫君のところをようやく訪ね、姫君を待つ間に恋しい雲居の雁(くもいのかり)にお見舞いの手紙を書く。さらに美しく成長した明石の姫君を見た夕霧は、紫の上や玉鬘といった麗人たちを思い出し、それぞれが花のようだと思うのであった。
大宮のところには内大臣が見舞いに来ていた。大宮は雲居の雁と会えないさみしさを内大臣に訴えるが、いまだに夕霧とのことを許していない内大臣はそれにはとりあわず、最近ひきとった娘・近江の君(おうみのきみ)への不満をもらすのであった。