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人間学講話 論語の活学 (2)

人間学講話 論語の活学 (2)

著者:安岡正篤

再生時間:3時間25分35秒

提供:パンローリング

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内容紹介

偉大なる「人間通」
孔子はここを学べ!

孔子の言葉を現代に活読した安岡教学の最高峰


論語をみると、われわれば日常遭遇する現象や問題がことごとく原理的に説明されている。こんなことにまで触れていたか、こんな問題まで出ていたかと、驚くばかりである。たとえば、里仁篇に、「利によって行えば怨み多し」とある。これは今日も同じことで、人びとは皆、「利」を追って暮らしているが、利を求めてかえって利を失い、利によって誤まられて、際限もなく怨みを作っている。それは「利とは何であるか」ということを知らないからである。「利の本は義」「利は義の和なり」(左伝)という。したがって本当に利を得ようとすれば「いかにすることが“義”か」という根本に立ち返らなければならない。これは千古かわらぬ事実であり、法則である。ここに気がついて初めて論語が〈活きた学問〉となる。(まえがきより)

内容項目

I 論語の人間像
第一章 孔子を生んだ時代相

「三聖人」輩出の時代
春秋戦国の時代
佞と美――曲学阿世の徒
聞人と達人
郷原――世渡りのうまいお調子者

第二章 最も偉大な人間通――孔子の人間観
辛酸を嘗めた少年時代
多能の君子
不遇ゆえに多芸多能
感激性の豊かな人
博奕は無為徒食に勝る
義に疎くて小ざかしい人間
女子と小人――近づければ無遠慮になり、遠ざければ怨む
四十で見切りをつけられる人間は、おしまい
四十五十で名の出ぬ人間は畏るるに足らず
人の世の本質――共に立ち難く、共に権るべからず
君子の条件――誠実〈内的規範〉と礼〈外的規範〉

第三章 理想的人間像――晏子、子産、周公、遽伯玉
斉の名宰相・晏子
〈晏子〉久しく交わるほど尊敬される人
世話のやける暗君、怒鳴りたくなる倅こそ、わが生き甲斐
鄭の名宰相・子産
〈子産の君子道〉恭、敬、恵、義
〈寧武子の処世術〉邦に道なければ愚
孔子の理想像・周公旦――東洋人は、過去を通して未来を考える
驕慢でケチな人間は論ずるに足らない
〈遽伯玉〉行年五十にして四十九年の非を知る

第四章 孔子学園の俊秀たち――子路、顔回、子貢、曾参
孔門の四科十哲
子路
「知る」ことの意味
身なりに無頓着な子路
勇気はあれど、手だてなし
書を読むばかりが学問ではない
〈君子の道〉己れを修めて百姓を安んず
〈政治の要諦〉率先して骨折ることに倦むことなかれ
顔回
愚物に見えて愚ならず
顔回の見た孔子像――ついていけそうで追い越せない
心の通い合う師弟
怒りを移さず、過ちを繰り返さない
極貧にして道を楽しむ
充実しておりながら空っぽの如き人
「悪」に、いかに対応すべきか
明晰な頭脳と弁舌、孔門随一の理財家――子貢
日々、切磋琢磨せよ
人間が出来ておれば政治はやれる
言うより前にまず実行
〈道・器の論〉立派な器ではあるが、道に達せず
「人物」とは何か――気力・生命力
「人物」とは何か――「志気」・「志操」
「人物」とは何か――「義」と「利」
「人物」とは何か――「見識」と「膽識」
「人物」とは何か――「命」を知る
「人物」とは何か――慈愛・仁愛の心
「人物」とは何か――風格・風韻
過ぎたるは及ばざるがごとし
孔子に及ばざること、天に登り得ないが如し
孔子に見限られた宰我
内省的で直覚の勝れた人――曾参
吾れ日に吾が身を三省す
曾参の父、曾皙
あたかも愚なるが如し
夫子の道は忠恕のみ

II 論語読みの論語知らず
第一章 孔子人間学の定理――「利」の本は「義」である

やっと論語がわかってきた
論語は綸語、輪語、円珠経
学んで時に之を習う――「時」の真意
吾れ日に吾が身を三省す――「省」の真意
利によって行えば怨み多し――「利」と「義」
「利」と「義」について
君子は行に敏ならんことを欲す
燃えている人間は理想像を抱く
民は之を由らしむべし――「由らしむ」と「知らしむ」
人は与に権るべからず――孔子人間学の定理
魯一変せば道に至らん
言を知らずんば人を知る無きなり――命と礼と言

第二章 論語の文字学――孝、疾、忠、恕
大沢勘大夫の活学問
活きた学問として論語を読む
「暁」の意味――あきらか、さとる
「亮」の意味――たかい、あきらか
「相」の意味――見通しが利く
「了」の意味――あきらか、おわる
「悟」の意味――口をつつしむ
「孝」の意味――老者と若者の連続・統一
「孝」と「疾」――連続と断絶
夫子の道は忠恕のみ――「忠」と「恕」の意味
造化と人間

第三章 論語の活読、活学――古典の秘義を解く鍵
自己の生そのものに徹せよ、もっと人間を知れ
「佞」の意味
口の上手な者を退けよ
佞人は時流を煽動する
四を絶つ
勇気はあれども使いものにならず
利は智をして昏からしむ
己れが己れを知らないことの方が問題だ
人間は真心が根本、礼は後の仕上げ
仁者こそ能く人をにくむ
好き嫌いが激しいのは利己的でけちな証拠
感激を失った民族は衰退する

III 論語為政抄
論語為政抄




本書への追想 林繁之
論語と安岡先生 山口勝朗
論語の人間像
論語読みの論語知らず
論語為政抄
孔子について――講義草案ノート

著者情報

安岡正篤(やすおか・まさひろ)

1898(明治31)年、大阪市生まれ。大阪府立四条畷中学、第一高等学校を経て、1922(大正11)年、東京帝国大学法学部政治学科卒業。東洋政治哲学・人物学を専攻。同年秋に東洋思想研究所、1927(昭和2)年に(財)金雞(けい)学院、1931(昭和6)年に日本農士学校を設立。東洋思想の研究と人物の育成に従事。戦後、1949(昭和24)年に師友会を設立。広く国民各層の啓発・教化につとめ1983(昭和58)年12月鬼籍に入る。

作品一覧

本作は分割収録となり、以下の項目にて1つの作品となっています。タイトル末尾のカッコ付きの数字が順序となります。各項目にはそれぞれのリンクから移動して再生して下さい。

人間学講話 論語の活学 (1)
人間学講話 論語の活学 (2)


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・当時の録音状況や、原盤の保管状態の不備などにより、一部にお聴き苦しい箇所があることをご了承下さい。