恐ろしき錯誤 朗読:野口晃 再生時間:1時間27分45秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
「勝ったぞ、勝ったぞ、勝ったぞ……」北川は復讐の快感に酔い、毒々しい勝利の囁きを続けていた。
三か月以前の春のこと。彼の家は火事になり、彼は我が子を抱いて避難した。しかし、愛妻の妙子が亡くなった。一度は家の外に逃げたはずの妙子は、誰かに何かを耳打ちされて、燃え盛る家の中に再び飛び込んで焼け死んだのだ。北川が復讐すべきは、妙子を死地に赴かせたその誰かだった。
北川は友人であり、かつては妙子を巡っての恋敵であった野本を訪れて、一枚のメダルを見せた。そのメダルの中には、妙子を無残に焼き殺した男の――しかもその妙子が以前から愛し続けていた男の写真が貼り付けてあったのだと、北川は言う。
実はメダルの写真云々は北川の創作だったが、そのメダルを見せるべき疑いのある者は他にも二人いた。メダルを見せた時の野本の反応から、北川は正しく復讐すべき相手への策略が成功したと確信したのだが……