実説 城谷怪談 撰集五十四 朗読:城谷歩 再生時間:1時間53分34秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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実説 城谷怪談
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「かよちゃんのお爺さん」(32分)体験者の女性は子供の頃に仲良くしていたかよちゃんという友達がいた。
かよちゃんの家にはいつもテレビの前に横になっているお爺さんがいて、家の中でバタバタ遊んでいると容赦なく怒鳴られる。
かよちゃんもこのお爺さんが嫌いらしく、よくお爺さんの悪口や失敗談を聞かせてくれたものだから、会う機会は少なかったはずなのに変な親近感を覚えていったという。
やがて体験者さんが高校生になって反抗期の盛り、風の噂でかよちゃんのお爺さんが床に臥せっていると聞いた、そんなある晩のこと...。
「足首を摑む手」(30分)
霊感の強いめぐみさんという女性が今から5年前に体験したエピソード。
高野山と言えば全国でも名高い、霊験あらたかな霊場の一つで全国各地から観光客が後を絶たない。加えて修験者や霊能者にとっても聖地だ。中でも金剛峯寺の奥に分け入ると開祖弘法大師空海が入定の地、奥の院がある。
めぐみさんはその日ご主人とともに、その奥の院を参詣するのを楽しみにしていた。
ところが参道の途中でツアー客の団体が道を塞いでしまっており、参道をそれわき道から奥の院に詣でてしまったのである。
参拝はことなく済んだのだが、同じようにわき道から抜けて奥の院を後にした直後、背後に何とも言えない圧力のある気配のようなものが押し迫り、めぐみさんは足首に大きな手が絡みついたのに気づく。
「念」(26分)
Kさんという女性が短大生の時。住んでいた学生寮の近くにあった地下歩道はいつも暗く薄気味悪かった。
冬の酷く寒い晩、近くのスーパーに買い物に出かけた折、この地下歩道を通っていると誰かが後ろを歩いてくる足音に気がついた。きっと寮生の誰かだろうとさほど気にも留めず、そのうちに地下歩道を抜け横断歩道に差しかかると、1台の車が猛スピードでやってくる。
早くわたり切ってしまおうと思うのに足が動かず、轢かれてしまうと思った時に何かが彼女の髪をグイっと後ろに引いた。危機一髪難を逃れたのだが、後ろには誰もいない...。
「死してなお」(23分)
広島県で幼少期を過ごしていた体験者の女性は、おじいちゃん子だった。
豪快で朗らかな大好きなおじいちゃんが亡くなったのは小学校に入学する直前。初めて人の死の意味を知ったのだそうだ。
幼いながらも寂しさを埋めようと懸命に向き合って、次第に立ち直ろうとしていた矢先夢を見る。おじいちゃんも交えた一家団欒の楽しい夢だったが、ふと夢の中でさえおじいちゃんは既に死んでしまっていると気づいてしまう。
おじいちゃんに「死んだんじゃなかった?」と問うと一瞬沈黙の後で「お前が嫁に行くまで死にゃせん」と笑い飛ばしてくれて目が覚めた。
この日の夕方、亡くなったはずのおじいちゃんは体験者の命を助けに現れる。
著者情報
城谷 歩(しろたに わたる)
プロフィール1980年2月16日生 北海道小樽市出身
15歳から舞台演劇を中心に俳優活動を始める。
その後、劇団深想逢嘘(2000年~2011年)を発足、主宰を務める。
様々な職種を経て2012年1月怪談師デビュー。怪談ライブバー
スリラーナイト札幌本店で活動後、2014年から同六本木店オープンに合わせ上京。
外部出演、独演会開催、メディアへの出演多数。
2018年独立。公演情報などはHPにて。
https://www.shirotaniwatarunosekai.com/