LisBo(リスボ)なら、作家・学者・実業家の講演の他、法話、落語、講談、朗読などのオーディオブックが定額で聴き放題。登録月は末日まで無料です。

盈虚

盈虚

著者:中島敦

再生時間:28分19秒

無料再生時間:

提供:パンローリング

再生速度
  • x0.5
  • x0.75
  • x1
  • x1.25
  • x1.5
  • x2
  • x3
  • x4

会員登録をすれば、全作品が聴き放題。入会月は無料です。

すでに会員登録済みの方は、こちらからログインして下さい。

内容紹介

一切無駄のない、整えられた美しい文体が特徴の中島敦。 彼の作品は、漢文調の格調高い端正な文体とユーモラスに語る独特の文体とが巧みに使い分けられています。 学生の頃に「山月記」を読まれた方も多いのではないでしょうか。人が虎になってしまうという伝奇的な物語が、重厚な文体に不思議なリアリティを伴って描かれている様は、今も沢山の読者を引き付けて離しません。 また、『弟子』『李陵』といった作品に描かれている人間観や世界観、そして格調高く美しい文章を、呻吟しながら書いたのではなく、渾々と湧き出るように書いたところに、彼の天才作家としての真骨頂があるではないでしょうか。 代表作以外にも隠れた傑作が数多く収録されています。通勤や移動の合間にも、文学史上に輝く綺羅星のような作品に触れられる当オーディオブックは、きっと感性にも豊かに響く、意義深い時間を届けてくれることでしょう。

<作品冒頭>
衛の霊公の三十九年と云う年の秋に、太子かいがいが父の命を受けて斉に使したことがある。途に宋の国を過ぎた時、畑に耕す農夫共が妙な唄を歌うのを聞いた。  衛の太子は之を聞くと顔色を変えた。思い当ることがあったのである。  父・霊公の夫人(といっても太子の母ではない)南子は宋の国から来ている。容色よりも寧ろ其の才気で以てすっかり霊公をまるめ込んでいるのだが、此の夫人が最近霊公に勧め、宋から公子朝という者を呼んで衛の大夫に任じさせた。宋朝は有名な美男である。衛に嫁ぐ以前の南子と醜関係があったことは、霊公以外の誰一人として知らぬ者は無い。二人の関係は今衛の公宮で再び殆どおおっぴらに続けられている。宋の野人の歌うた牝豚牡豚とは、疑いもなく、南子と宋朝とを指しているのである……


作品を探す

ジャンル  作品提供 
 
タイトル  著者・講演者 
 
朗読者  落語家・講談師 
 
キーワードで探す 

作品提供社一覧

LisBo_twitter LisBo_Instagram

・録音音声の中には、今日においては不適切と思われる表現がありますが、音源または原文の歴史的価値を尊重し、改変を加えずそのままとしました。
・当時の録音状況や、原盤の保管状態の不備などにより、一部にお聴き苦しい箇所があることをご了承下さい。