小川未明 「黒い旗物語」 再生時間:20分36秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
初出は1915(大正4)年発行の「日本少年」。 小川未明の作品にいくつか登場する『赤い色をした船』が、 物語の鍵となっている作品。人情を求めて北の港町にやってきた貧しい爺と子供。 二人に対する町の人々の振る舞いを通して語られる社会批判が、 全体的に暗く重い情景と合わさって独特の雰囲気を醸し出している。
あらすじ
冬もすぐそこに迫る港町。そこに人情を求めてやってきた貧しい爺と子供。 町民はその二人に非情に接し、町を追い出してしまう。寒さに震える二人を大きな波が襲い、二人は行方不明に。
ある日、突如黒い旗を翻した真っ赤な船が港に現れ、時を同じくして 行方の分からなかった貧しい子供が町を再び訪れる。
財宝を片手に食料や衣服を求める子供だったが、 またしても、町民は財宝を偽者や盗品と疑い子供を追い出す。
その日、町から火が上がり、強風に煽られて町は焼け野原になってしまった。
著者情報
小川未明(おがわ・みめい)
1882年4月7日-1961年5月11日小説家・児童文学作家。本名は小川 健作(おがわ けんさく)。「日本のアンデルセン」「日本児童文学の父」と呼ばれる。娘の岡上鈴江も児童文学者。
新潟県高田(現上越市)に生まれる。東京専門学校(早稲田大学の前身)専門部哲学科を経て大学部英文科を卒業。坪内逍遙に師事し、島村抱月やラフカディオ・ハーン(小泉八雲)らにも影響を受けた。
在学中に処女作「漂浪児」を発表し、逍遥から「未明」の号を与えられ、卒業直前に発表した「霰に霙」で小説家としての地位を築く。1925年に早大童話会を立ち上げ、1926年以降は童話作家に専念する。
1953年、童話会の会員だった鳥越信と古田足日の二人を中心をした「少年文学宣言」が発表され、未明は、古い児童文学として否定されるという、苦渋の晩年も送った。
代表作は、「金の輪」(労働文学)、「赤い蝋燭と人魚」(朝日新聞)「月夜と眼鏡」(赤い鳥)、「野薔薇」(小さな草と太陽)など。