源氏物語(二十二) 玉鬘(たまかずら) 再生時間:1時間33分10秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
与謝野晶子による現代語訳を朗読しオーディオ化しました。多様な人物たちの織り成す複雑な心理描写を、分かりやすく情感豊かに読み上げました。またそれぞれの帖の冒頭では翻訳者の与謝野晶子が、その帖の内容を一首の歌にして見事に表現しています。
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源氏物語は、紫式部によって書かれた全五十四帖から成る長編小説。
期間にして74年、四代の天皇の御代に渡る壮大な物語であり、その文章の構成や美しさ、人物の心理描写の面などからも、日本の文学史上最古にして最高傑作とも言われています。
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源氏物語 第二十二帖 玉鬘(たまかずら)
年月がたっても光源氏は亡き夕顔のことを忘れることができなかった。夕顔に仕えていた右近は、今や紫の上の侍女となっていて源氏に重んぜられていた。右近は、夕顔がもし生きていたら、六条院に迎えられるほど源氏に愛されていただろうと悲しく残念に思う。
その夕顔の娘・玉鬘(たまかずら)は、乳母の夫が九州の小弐(しょうに)に任ぜられたため、四歳で都から筑紫へと下っていた。小弐は任期を終えたが都に帰る前に病に倒れてしまう。玉鬘を都へ連れてかえるようにと遺言して、小弐は亡くなる。
美しく成長した玉鬘の噂を聞いて数多くの男性が求婚してくるが、乳母たちは、玉鬘を結婚できない不具の者といつわり、求婚を断っていた。しかし、肥後の豪族・大夫の監(たゆうのげん)が強引に玉鬘に求婚を迫ってきた。大夫の監は権力をふりかざして、乳母の息子たちを味方につけ、縁組をすすめていく。
大夫の監に屈しなかった長男の豊後介(ぶんごのすけ)は、玉鬘を京へ連れて行こうと決心する。玉鬘の一行は急いで舟で出立し、なんとか都へとたどりついた。上洛したものの知る人もなく途方にくれる豊後介は神仏を頼り、玉鬘に長谷詣でをさせることにした。途中、椿市(つばいち)で宿をとった一行は、偶然にもそこに宿泊していた右近とめぐりあう。乳母は玉鬘のことを父である内大臣に知らせてほしいと言うが、右近は過去の事情を説明し、源氏が玉鬘を探していると伝えるのであった。
右近から玉鬘のことを聞いた源氏はひじょうに喜び、玉鬘を六条院に迎え入れる。玉鬘が美しく感じのよい姫君であることに満足した源氏は親として玉鬘の世話をするのであった。
年の暮、源氏は女たちの新年の衣装を準備した。紫の上はそれぞれの女人に似合う衣装を源氏に見立てさせた。選ばれた衣装からその女人の器量が推測されるので、紫の上は心穏やかではいられない。源氏は細やかに心を配りながら、女たちに衣装を贈るのであった。