源氏物語(二十七) 篝火(かがりび) 再生時間:9分39秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
与謝野晶子による現代語訳を朗読しオーディオ化しました。多様な人物たちの織り成す複雑な心理描写を、分かりやすく情感豊かに読み上げました。またそれぞれの帖の冒頭では翻訳者の与謝野晶子が、その帖の内容を一首の歌にして見事に表現しています。
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源氏物語は、紫式部によって書かれた全五十四帖から成る長編小説。
期間にして74年、四代の天皇の御代に渡る壮大な物語であり、その文章の構成や美しさ、人物の心理描写の面などからも、日本の文学史上最古にして最高傑作とも言われています。
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源氏物語 第二十七帖 篝火(かがりび)
世間では、内大臣が新たに引き取った娘・近江の君(おうみのきみ)に対する評判が大変よくなかった。光源氏は、内大臣が他で育った娘を深く考えもせずに呼び寄せて、気に入らなかったためにぞんざいな扱いをしていると、その娘に同情していた。玉鬘(たまかずら)はそれを聞いて、実の子であるからといって必ずしもよい扱いを受けるわけではないことを知り、自分は源氏に引き取られたことを幸運だと思うのであった。迷惑な恋心をもたれているものの、源氏もそれ以上、無理をしいるようなことはなく、深い愛情が感じられるので、玉鬘は源氏に信頼をおくようになっていた。風が身にしむ秋となり、源氏はやはり玉鬘のところへやって来て、琴を教えたりして、そのまま一日過ごすこともあった。ある日、琴を枕にして玉鬘と並んで仮寝をしていた源氏は、帰りぎわに消えかかっていた庭の篝火(かがりび)をさらに燃やさせた。その篝火によせて源氏は玉鬘への思いを和歌にした。玉鬘はとまどいながらも返歌をする。
御簾から出るときに、息子・夕霧(ゆうぎり)と若い公達(きんだち)たちが近くで合奏しているのを知った源氏は、彼らを呼び寄せ、自らは琴をかき鳴らして、ともに演奏をする。思いを寄せている玉鬘が聞いているので、柏木(かしわぎ)は気にかかって、歌も演奏も控えめになってしまうのであった。