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50分でわかる十二夜 -シェイクスピアシリーズ11-

50分でわかる十二夜 -シェイクスピアシリーズ11-

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内容紹介

オーディオブック シェイクスピアシリーズ第十一弾

読み聞かせでもなく、サウンドドラマでもない。
オーディオブックならではの圧倒的な表現力。
誰もが知っている“はず”のシェイクスピア作品をダイジェストにして続々お届けします。

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「旦那様は姫を心から愛している。 哀れな化け物の私も、同じほど旦那様を…… 勘違いをした姫も、私にのぼせあがったよう……。 一体これからどうなる?」

メッサリーンに生まれた、ある双子。兄なる若君、セバスチャン。妹、姫君ヴァイオラ。(さても不思議)この二人、生まれた時より瓜二つ、服違《たが》わねば、見分けも付かない。さて、時同じく生まれた兄と妹は、時同じく死にかける――というも、船旅《ふなたび》の最中《さなか》、イリリアの沖で難破の憂き目に遭ったのだ。荒れ狂う嵐に揉まれ、二人を乗せた船は岩に乗り上げ真っ二つとなり、船にいた者も大半が命を落とす。船長は、辛《から》くも助かった数人の水夫らと小舟に乗りこみ、陸《おか》へ辿り着くが、この時共にヴァイオラも、生きて再び地を踏むことに。
ところが哀れ娘は我が身の無事を喜ぶどころか、片割れ亡きこと嘆き始める。それをなだめる船長の言い分は、確かに娘の兄を見た、船が難破した折《おり》、丈夫な帆柱《ほばしら》に体をくくり付け、彼方に見える限り、波より上に本人の姿がしかとあった、とのこと。これを聞き、一縷の望みに慰められたヴァイオラは、あらためて故郷《ふるさと》を遠く離れた異国の地イリリアでの身の振り方思いあぐね、船長に土地勘はあるかと尋ねる。船長頷き、「そりゃもちろん、ここから一時《いっとき》も進めば生まれ故郷《こきょう》よ。」「どなたがご領主?」と問うヴァイオラに、イリリアを治めるはオーシーノウ、人品《じんぴん》卑しからぬ大公であると。

そこで一計、ヴァイオラは男に身をやつし、大公オーシーノウの小姓となりお仕えせんと思いつく。乙女がひとり男装し、少年で通そうなど、何とも奇抜な策ではあるが、異国の地にただ一人、寄る辺なく頼り無き身の上の、絶世の美少女のこと――ここは大目に見る他あるまい。
ヴァイオラの片棒かつぐ船長は、この美しき娘を紳士に仕立て上げたところで宮廷に顔を利かせ、セザーリオという偽の名前でオーシーノウの御前《みまえ》に。大公に、この美少年の利発な受け答えと上品な振る舞いとをたいそう気に入られ、ヴァイオラはセザーリオとして、望み通りのお役目、すなわち小姓の一人に召し抱えられる。かくして娘はこの新しきお役目を良く果たし、主《あるじ》にまめまめしく心尽くしに仕えたため、たちまちお気に入りの側仕えに・・・。

内容項目

(1)難破、出会い・・・

(2)オリヴィアとの出会い・・・

(3)ヴァイオラ?セザーリオ?セバスチャン?・・・

(4)再会・・・

『知恵の神さま、どうか俺を素晴らしい阿呆に!』


シェイクスピア、入れ替わり劇の真骨頂。

題名の『十二夜』とは、クリスマスから十二日目(つまり1月6日の夜のことで、イエス生誕に際して当方の三博士が訪ねてきた日とされている。西洋では、新年祝いの締めとなる盛大な宴が催され、この劇はその余興で初演されたと古くは考えられていたようだ。
ただ、単ににぎやかなだけでなく、十二夜には、寂しい冬を前にした最後の華やかさ、というイメージもある。
伝統としては、祝日の無礼講=愚考がモチーフにあり、イタリアの笑劇や、北欧を中心に栄えた愚人文学が裏にあると言われており。賢そうな奴が愚かで、愚かそうな奴が賢い、ということで、(主導権を握るロザリンドに比べて)ヴァイオラは身動きがとれず、結果として愚かそうな大公や女主人が得をしているのは、そういうことなのかもしれない。
本作は、コミカルに各キャラクターを描きつつ、ヴァイオラのみをストレートプレーで演出することで、作品としての大枠を表現しているが、物語の側面を各キャラクターの視点から聴くことで、裏のテーマが見えてくるだろう。

編集者からひと言

本シリーズは、ラム姉弟『シェイクスピア物語』をもとに、シェイクスピアの原典にある詩を加え、再編集。必要な箇所を抑えた編集で、シェイクスピアの世界を楽しみながら手軽に知ることができます。

→こんな人におすすめ
シェイクスピア作品に興味はあるが、全部読むのは面倒くさい
戯曲が中心なので、聴いた方が楽しめそう

著者情報

ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)

英国の劇作家・詩人。1592年~1612年ごろまで劇作家として活躍。四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残す。

・Charles and Mary Lamb's TALES FROM SHAKESPEARE: TWELFTH NIGHT; OR. WHAT YOU WILL edited by Yu Okubo translated by Yuka Akune

CAST

豊岡聡仁
安田愛実
西村健志
長谷川ゆみ
宮負潤
佐藤充
幸本たつと


音楽・監修

谷真人


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・録音音声の中には、今日においては不適切と思われる表現がありますが、音源または原文の歴史的価値を尊重し、改変を加えずそのままとしました。
・当時の録音状況や、原盤の保管状態の不備などにより、一部にお聴き苦しい箇所があることをご了承下さい。