雪の上の霜 朗読:楠木華子 再生時間:1時間36分46秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
あらすじ
病床の妻のおたよは、良人・伊兵衛の眼をじっと見つめた。良人は稀な才能をもっている。学問は朱子、陽明、老子に及び、武芸は刀法から槍、薙刀、弓、柔術……しかもそれらの武芸は無類の腕で、どの一つをとっても第一級の師範になれる。だがその反面、良人の性質はひとに抵抗ができず、自分のことよりはひとの立場を先に考える。こういう性分のために、代々二百五十石で使えていた主家を浪人し、以来七年あまり、おたよと共に放浪の旅を続けている。このあいだに幾たびとなく、その才能を認められて、仕官できそうな機会があったが、その性質のため結局は一つも実現しなかった……だが今回、槍術家の小室青岳に槍の稽古をつけて欲しいと乞われ、よければ道場に住み込みでと勧められる。おたよと相談の上、伊兵衛はその話を受けるのだが……