若き日の摂津守 朗読:野口晃 再生時間:1時間38分10秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
あらすじ
摂津守光辰は兄の廃嫡を受けて、家督を継いだが、知恵が優れず、いちいち側の者に自分が何者かを問いて回るほどの愚かさが記録にも残されているほどだった。それ故に重臣たちも光辰を軽んじて、馬鹿にしたように扱った。正室との間で子宝に恵まれなかった光辰に世継ぎを作らせるために、重臣たちは側室を迎えさせようとするが、それすらも光辰は「誰でもいい」と意志のなさげな物言いをした。
重臣の浜岡図書たちは藩の御用商人である吉田屋の娘を光辰の側室に迎えようとするが、城に送られたおたきは、藩の内情を知っている吉田屋が、奉公に来ていた貧しい村娘を、替え玉にしたものであった。
しかし、そのおたきも意外な事実を目にする。伽にあがった晩、「黙っていてくれるか」と言って光辰は書物を読み始めたのである。それは噂に聞いた暗愚な姿とは全く違ったものであった……