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太平洋戦争をどう見るか

太平洋戦争をどう見るか

講演者:家永三郎

1967年11月16日 東京

再生時間:57分53秒

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提供:岩波書店

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内容紹介

戦争の呼称は戦争の評価・解釈と結びついている。「太平洋戦争」という呼称によって、あたかもアメリカとの戦争が主軸であったかのような印象を受ける先の戦争は、柳条湖事件を端緒とする中国への侵略・領土獲得を目的とした連続した十五年戦争として理解されるべきである。また、世間には「大東亜戦争」という言葉をかかげて、それを擁護する向きもあるが、戦争当時の国内法・国際法に照らしても、日本軍のしたことは違法かつ残虐なもので、弁解の余地がない。戦争の悲惨さを訴え、戦争責任を正しく背負うことこそが真の愛国の道であると語る、教科書裁判の最中に行われたホットな講演。

講演者紹介

家永三郎

1913―2002年。1937年東京大学国史学科卒業。日本史学者。東京教育大学名誉教授。教科書検定違憲訴訟原告。著書に『日本思想史に於ける否定の論理の発達』『上代仏教思想史研究』『革命思想の先駆者』『植木枝盛研究』『美濃部達吉の思想史的研究』『日本文化史 第二版』『教科書裁判』『太平洋戦争』『戦争責任』(上記二冊、岩波現代文庫)など。著作集に『家永三郎集』(全16巻、岩波書店刊)がある。

注釈

擅権(せんけん)の罪

陸軍刑法第2章に定められている。権威をほしいままにし、職権を好き勝手に解釈して使う罪。とくに軍隊での罪は重い。

満蒙開拓義勇団(満蒙開拓青少年義勇軍)

満州移民政策の一環として行なわれた青少年移民制度とその移民団。日中戦争下、労働力と兵員の動員で成人の移民が困難になった1937年12月に青少年の送出が具体化し、翌年から実施された。対象は数え年16〜19歳の農家2・3男で、府県単位で強力に応募が勧奨され、天皇制イデオロギーに基づく精神教育と軍事訓練を受け、満州各地に入植(45年までに8万数千人)。アジア太平洋戦争末期にはほとんどが軍に召集され、多くの死者を出した。

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