妹の縁談 朗読:楠木華子 再生時間:1時間17分17秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
あらすじ
おしずは三味線の師匠の妻であり、華を教える師匠である絹女から縁談を勧められた。それはおしずに対してではなく、妹のおたかへのものだった。おしずとおたかはたまにしか家に寄りつかない兄二人に代わって、両親を養っていた。美しいと評判の姉妹ながら、未だに嫁に行かない二人については長いこと失礼な噂が立ったりもしてした。
おしずは縁談については直接おたかに話してくれと答えた。それで自然と妹からその話が出ると思ったが、五日六日と経ってもおたかは何も言い出さない。絹女の話から聞く限り、決して悪い話では無かったのだ。ただこれまで姉妹がこれまで結婚をしなかった理由はもう一つあり、それは一家の不安の種ではあった。だが、それはそれで解決できない訳ではない。しかし、その夜おしずはこう話し出したのだ。
「あたし今日失敗しちゃった」……