日記帳 朗読:野口晃 再生時間:26分52秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
私は病気で死んだ弟の書斎で物思いにふけっていた。残されていた日記帳のページをめくっていると、「発信欄」と印刷されたところに一人の女性の名前が出て来て驚く。それは私もよく知る北川雪枝という名前の遠縁の娘だった。弟は雪枝さんに恋していたのかもしれない……かと言って、日記帳の本文に雪枝さんの名前はない。わかるのは弟が雪枝さんにハガキを出した日付と、それに対して雪枝さんからの返事があったという記録だけ。
家探しを続けると、雪枝さんからの11枚のはがきが出て来たが、内容に恋文と思しきものはない。
しかし、日記帳の本文の中に、私は次の様な文句を見つける。
「最後の通信に対してYより絵葉書来る。失望。今になってはもう取返しがつかぬ。ああ」
Yが雪枝さんのイニシャルを指すものと察した私はその真意を知ろうとするが……