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平家物語 巻第八

平家物語 巻第八

著者:作者未詳

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内容紹介

南北朝時代の琵琶法師・覚一(かくいち)が1371年に完成させたといわれる覚一本を、割愛することなく原文のまますべて収録しています。

平家は西国に、兵衛佐は東国に、木曽は都にはりおこなふ。〈中略〉あぶなながら年暮れて、寿永も三年になりにけり。(巻第八・法住寺合戦)

巻第八 収録内容

巻第八は、寿永二年(1183年)七月末から寿永三年(1184年)にいたるまでを描く。平家は西国に、都には木曽義仲、東国に源頼朝が勢力をはる。

後白河法皇は木曽義仲に守護されて都に入り、義仲に平家追討の院宣を下し、孫の四宮(のちの後鳥羽天皇)に即位をさせる。平家は九州を追われるが四国の八島に身を寄せ、勢力を保つ。一方、東国の源頼朝は鎌倉で征夷将軍の院宣を賜る。木曽義仲は、無法なふるまいで後白河法皇の不興をかい、水島・室山で平家に敗れるが、法住寺合戦で後白河法皇を拘束し、都の政権を掌握する。

01 山門御幸(さんもんごこう)
後白河(ごしらかわ)法皇は、木曽義仲(きそよしなか)に守られて帰京し、義仲・行家(ゆきいえ)に平家追討を命じる。また、故高倉院の三宮(さんのみや)・四宮(しのみや)と対面し、四宮に即位させることを決めた。

02 名虎(なとら)
木曽義仲は左馬頭(さまのかみ)となり朝日の将軍と呼ばれ、平家一門はみな免官となる。四宮(のちの後鳥羽天皇)が即位する。皇位決定は人知に及ばぬもので、かつて皇位争いを名虎と能雄(よしお)の相撲で決することがあった。

03 緒環(おだまき)
九州では安徳(あんとく)天皇が宇佐八幡に参詣したが平宗盛(たいらのむねもり)の夢見は悪く、平家一門は太宰府に戻る。平家追放の命が下り、緒方三郎維義(おかたのさぶろうこれよし)がこれを受ける。維義は高知尾(たかちお)明神の神体である大蛇が生ませた子の子孫であった。

04 太宰府落(ださいふおち)
維義は旧主である平家の説得に耳を貸さず、平家を追いたてる。平家は太宰府を落ち流浪の身となり、平清経(たいらのきよつね)は前途をはかなんで入水する。平家一門は四国の八島に渡り、船を御所とした。

05 征夷将軍院宣(せいいしょうぐんのいんぜん)
鎌倉の源頼朝(みなもとのよりとも)に征夷将軍の院宣が下る。使者中原泰定(なかはらのやすさだ)から、鶴岡八幡宮で院宣を受け取った頼朝の威勢はかなりのものであった。

06 猫間(ねこま)
鎌倉の源頼朝が立派であるのに対して、都の木曽義仲は不作法で田舎者であった。猫間中納言の訪問にひどいもてなしをし、牛車の乗り方も知らず、傍若無人のふるまいをする。

07 水島合戦(みずしまがっせん)
平家は八島で山陽・南海道の十四ヶ国を従えて、再び勢力を盛り返した。木曽義仲は討手を遣わしたが、備中国・水島で平家軍に大敗する。

08 瀬尾最期(せのおさいご)
木曽義仲は山陽道におもむく。捕虜となっていた平家方の瀬尾太郎兼康(せのおのたろうかねやす)は備前国に着くと寝返り、倉光成澄(くらみつなりずみ)を討つ。今井四郎(いまいのしろう)に城郭を攻め落とされた兼康は、息子と生死をともにしようと引き返し、奮戦ののち討死する。

09 室山(むろやま)
木曽義仲が八島へ攻めようとするところに、都から行家が義仲の讒言をしているとの知らせが入り、義仲は都へ引き返し、行家は入れ違いに西へ下る。室山に陣を張った平家軍は行家軍を打ち負かす。

10 鼓判官(つづみほうがん)
木曽義仲の軍勢が都で乱暴を働くので、後白河法皇は鼓判官知康(ともやす)を使いに出すが、知康は追い返され、後白河法皇は義仲追討を決意する。義仲は法住寺に攻め込み、院方を破り、法皇と天皇を手中におさめる。

11 法住寺合戦(ほうじゅうじかっせん)
院方の近江守仲兼(なかかぬ)たちは奮戦ののち落ちてゆく。明雲(めいうん)大僧正も討たれ、後白河法皇はその死を悲しんだ。義仲は、都で思うままに権勢をふるう。平家は西国、源頼朝は東国、木曽義仲は都に、それぞれ勢力をはっていた。

シリーズ一覧

平家物語 巻第一
平家物語 巻第二
平家物語 巻第三
平家物語 巻第四
平家物語 巻第五
平家物語 巻第六
平家物語 巻第七
平家物語 巻第八
平家物語 巻第九
平家物語 巻第十
平家物語 巻第十一
平家物語 巻第十ニ
平家物語 灌頂巻


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