源氏物語(三十) 藤袴(ふじばかま) 再生時間:33分2秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
与謝野晶子による現代語訳を朗読しオーディオ化しました。多様な人物たちの織り成す複雑な心理描写を、分かりやすく情感豊かに読み上げました。またそれぞれの帖の冒頭では翻訳者の与謝野晶子が、その帖の内容を一首の歌にして見事に表現しています。
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源氏物語は、紫式部によって書かれた全五十四帖から成る長編小説。
期間にして74年、四代の天皇の御代に渡る壮大な物語であり、その文章の構成や美しさ、人物の心理描写の面などからも、日本の文学史上最古にして最高傑作とも言われています。
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源氏物語 第三十帖 藤袴(ふじばかま)
玉鬘(たまかずら)は、これからの身の処し方について煩悶していた。冷泉帝(れいぜいてい)へ宮仕えをすることも、光源氏の庇護でこのまま暮らしていくことも、それぞれ悩ましい問題があるのだった。大宮が亡くなり、喪に服していた玉鬘のもとに夕霧(ゆうぎり)がやってくる。二人は几帳を隔てて話していたが、ふと夕霧は藤袴の花を差し入れて、玉鬘への恋心を打ち明ける。驚いた玉鬘は奥へ引きこもってしまう。
源氏のもとに戻った夕霧は、玉鬘の今後について源氏と話した。玉鬘を宮仕えに出しながらも自分の手元に置いてひそかに恋人にしておきたいという源氏の思惑を見抜いている夕霧は、実父の内大臣がそのことを懸念していると伝え、源氏の行動を牽制するのだった。
玉鬘は十月に宮仕えに出ることが決まった。玉鬘が実の姉であると知った頭の中将・柏木(かしわぎ)は、玉鬘を訪ね、複雑な心境で挨拶をするのだった。右大将の鬚黒(ひげくろ)は、相変わらず熱心な玉鬘の求婚者であり、内大臣もこの縁談に乗り気であるが、鬚黒の妻は紫の上の姉であり、鬚黒が今の妻と離縁して玉鬘を迎えようと考えているため、源氏はあまり気がすすまない。
宮仕えの日が近づくにつれ、玉鬘のもとに数々の男たちから別れを惜しむ手紙が届けられた。玉鬘は蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)からの手紙に心を動かし、この手紙だけには返事をしたためた。
源氏と内大臣は、玉鬘は求婚者を多数持つ女として模範的だと評していたという。