城中の霜 再生時間:54分14秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
再生速度
- x0.5
- x0.75
- x1
- x1.25
- x1.5
- x2
- x3
- x4
会員登録をすれば、全作品が聴き放題。入会月は無料です。
すでに会員登録済みの方は、こちらからログインして下さい。
内容紹介
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
あらすじ
時は、安政六年十月七日の朝。安政大獄と呼ばれた大疑獄が、まさに終段に入りつつある時のことだった。掃部頭井伊直弼によって、遠島の罪に決まっていたはずの橋本左内は、なぜか死罪となった————。
「左内ゆかりの者」と名乗り、左内の遺骸を引取りにやってきた者の中に一人の娘がいた。娘は福井藩士、喜多勘蔵の二女で香苗と言い、香苗は左内の三つ下のまた従兄妹で、幼なじみでもあった。
因幡守穆清に「従容として時世の詩を認め、静かな微笑さえ見せながら、帰するが如く」という左内の最期の様子を聞いた香苗は、自分のよく知っている筈の左内との姿に違和感を感じる……。
武士として死ぬこととは?本当の命を惜しむ武士の泪とは?橋本左内の死に際をめぐる物語。