平家物語 巻第六 朗読:岡崎弥保 再生時間:1時間37分57秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
南北朝時代の琵琶法師・覚一(かくいち)が1371年に完成させたといわれる覚一本を、割愛することなく原文のまますべて収録しています。治承五年正月一日、内裏には東国の兵革、南都の火災によって、朝拝とどめられ、主上出御もなし。(巻第六・新院崩御)
巻第六 収録内容
平清盛死す。巻第六は、治承五年(1181年)から寿永二年(1183年)までを描く。力を失った平氏に、木曽義仲が勢力をのばしていく。心労でふせっていた高倉上皇が崩御する。人々はそのやさしい人柄を偲んだ。その翌月、平清盛は突然熱病におかされて、壮絶な死を遂げる。一方、源氏は木曾義仲が台頭し、信濃・上野を平定する。平氏は追討軍を出すが、義仲に大敗する。各地で反平氏の動きが盛んになり、ますます源氏に勢力が傾いていく。
01 新院崩御(しんいんほうぎょ)
新年となったが、東国での謀反や南都炎上のため、朝廷では恒例の儀式も行われない。高倉(たかくら)上皇の病はいよいよ重くなり、ついに正月十四日に、二十一歳の若さで崩御する。
02 紅葉(こうよう)
高倉上皇は幼少の頃から、温厚な性格であった。十歳のころ、大切にしていた紅葉を下役人が燃やしてしまったがおとがめにならなかった。また、盗賊に主人の装束を奪われた少女を憐れみ、代わりの装束を与えられたこともあった。
03 葵前(おういのまえ)
高倉上皇は、中宮の女房付きの女童・葵前を寵愛されたが、世間の目をはばかり、葵前を遠ざけた。葵前は病に伏し、のちに亡くなった。
04 小督(こごう)
高倉天皇の嘆きが深いため、中宮は小督という女房を参らせた。小督は、清盛(きよもり)の婿の恋人でもあったため、清盛は小督に怒りを向ける。小督は恐れて嵯峨に身を隠すが、仲国(なかくに)が探し出して宮中に連れ戻す。清盛は激怒し、小督を尼にして追放してしまう。
05 廻文(めぐらしぶみ)
平清盛は後白河(ごしらかわ)法皇の心を慰めようと思い立ち、自分の娘を後白河法皇に差し出した。そのころ、信濃の木曾義仲(きそよしなか)は反平氏の挙兵を企てる。廻文を出すと信濃・上野の源氏がみな従いついた。
06 飛脚到来(ひきゃくとうらい)
平氏は、城太郎助長(じょうのたろうすけなが)を越後守に任じて、木曽義仲追討にあたらせる。諸国から次々に飛脚が到来し、河内や九州・四国の武士が平氏に背いたという報が入る。
07 入道死去(にゅうどうしきょ)
平氏への謀反が激しくなり、宗盛(むねもり)を総大将とした追討軍が東国へ向かおうとしたとき、清盛が熱病に倒れる。清盛の妻・二位尼(にいのあま)は、無間地獄から清盛に迎えが来た夢を見る。清盛は頼朝(よりとも)の首を墓前に供えよと言い残して、悶死した。
08 築島(つきしま)
葬送の夜、西八条の清盛邸が焼け、院の御所の侍たちが乱酔するなど奇異なことが起きた。清盛は生前、人柱をせずに福原に経の島を築き、船の安全をはかる航路をつくりあげた。
09 慈心房(じしんぼう)
清澄寺の慈心房尊恵(そんえ)という僧は、閻魔王庁の法華経転読の席で、「清盛は慈恵(じえ)僧正の生まれ変わりである」と告げられた。清盛は喜び、慈心房を律師に任じた。
10 祇園女御(ぎおんにょうご)
また清盛は白河院の子であるとも言われた。かつて父・忠盛(ただもり)は、白河院から褒賞として懐妊中の祇園女御を賜った。その祇園女御から生まれたのが清盛であるという。清盛と親交の深い五条大納言も相次いで亡くなる。やがて源平両軍は木曽川で戦い、平氏が勝利をあげるが、続いて攻めきれない。東国はみな源氏になびくありさまだった。
11 嗄声(しわがれごえ)
城太郎助長(じょうのたろうすけなが)が木曾義仲追討のため出立するとき「平氏に味方するものを捕らえよ」というしわがれ声が響きわたる。無理やり出立した助長は落馬して死んでしまった。七月、養和に改元され、大赦により公卿たちが帰京する。
12 横田河原合戦(よこたがわらのかっせん)
謀反鎮圧の祈禱を平氏は各所で行うが、神仏が聞き入れないためか変事が起こる。寿永に改元。兄助長に代わって越後守についた城助茂(じょうのすけもち)は、横田河原で木曽義仲に大敗。しかし都の平家はそしらぬ体で華やかな行事に日を送る。南都北嶺、熊野、吉野、伊勢神宮にいたるまで、世は源氏に通じ、平氏に従うものはなかった。
シリーズ一覧
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