死ね! 朗読:吉治郎 再生時間:37分49秒 無料再生時間: 提供:dojoman |
再生速度
- x0.5
- x0.75
- x1
- x1.25
- x1.5
- x2
- x3
- x4
会員登録をすれば、全作品が聴き放題。入会月は無料です。
すでに会員登録済みの方は、こちらからログインして下さい。
内容紹介
私には切っても切れない縁故のある男がいる。私が日々の飯のため懸命に働く一方、彼は「今に仕事をする」と言いながら遊び歩いている。金があるわけではない。あちこちに借金を作って生活しているらしかった。
彼は文学者であり、いつか自然の導きによって「本当の仕事」に打ち込むことになるものと心から信じているらしかった。
とうとう行き詰まった彼は負債を整理して働こうとするのだが、どうしても都合がつかない借金があった。借金を返済するべき時期と働く意欲の湧いてくる時期とが隔たりすぎていたのだ。
――僕に本当に働かしてくれないような世の中なら、こちらから御免を蒙るだけだ。
そうして彼は、惚れ合っている芸者の「千代子」と心中するつもりであると私に話すのだったが……。
著者情報
豊島与志雄(とよしま・よしお)
1890年福岡県に生まれる。作家として多数の小説や児童文学を残している一方で、『レ・ミゼラブル』『ジャン・クリストフ』など仏文学の翻訳でも高い評価を得ている。
太宰治が最も尊敬する人物として挙げ、彼と親交があったことも知られている。
代表作に、小説『野ざらし』、翻訳『レ・ミゼラブル』『ジャン・クリストフ』、随筆集『書かれざる作品』などがある。