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セトナ皇子(仮題)

セトナ皇子(仮題)

著者:中島敦

再生時間:6分52秒

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内容紹介

代表作以外にも隠れた傑作が数多く収録されています。通勤や移動の合間にも、文学史上に輝く綺羅星のような作品に触れられる当オーディオブックは、きっと感性にも豊かに響く、意義深い時間を届けてくれることでしょう。

<作品冒頭>
メムフィスなるプタの神殿に仕うる書記生兼図案家、常にウシマレス大王に変らざる忠誠を捧ぐる臣、メリテンサ。謹んで之を記す。この物語の真実なることを、あかしし給う神々の御名は、鷹神ハトル、鶴神トト、狼神アヌビス、乳房豊かなる河馬神アピトエリス。  百合の国上埃及の王にして、蜂の国下埃及の王、アモン・ラーの化身、輝けるテーベの主、ウシマレス大王の一子セトナ皇子は、夙に聡慧の誉れが高い。八歳の時、彼は神々の系譜を論じて宮廷の博士共を驚かせた。十五歳以後は、最早あらゆる魔術と呪文とに通じた博学の大賢者として天の下に並ぶものもない……


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・当時の録音状況や、原盤の保管状態の不備などにより、一部にお聴き苦しい箇所があることをご了承下さい。