ちいさこべ 再生時間:2時間16分58秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
あらすじ
茂次は大工の若棟梁だが、川越に出仕事に行っている間に、江戸で起こった大火事で両親も店も失ってしまう。自力でどうにか家業を再興させようと息巻くが、同じ火事で焼け出されて親を失ったおりつを放っておけず、炊き出しの世話などをさせる名目で彼女を引き取ることを決める。だが、おりつもまた火事で孤児になってしまった子供たち十二人を放っておけずにいた。さすがに茂次も子供たち全員を引き取る事には難色を示したが、子供たちの世話をしてくれる人も見つからず、面倒を見ることにするのであった。 だがある日のこと、福田屋久兵衛が茂次の元に町方同心の中島市蔵を連れて来た。その用件は「孤児を大勢養っているのは不法だ」というのである。孤児の始末は元の町内に引き取らせるか、お役人に任せるかのどちらかにしなければならない、このままではお上にも憚りであるし、町内に迷惑にもなる……それを聞いたおりつは割って入り、
「町内の迷惑になるとはどういうことなのか」
と詰め寄るのだが……