おさん 再生時間:2時間9分2秒 無料再生時間: 提供:パンローリング |
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内容紹介
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
あらすじ
参太は、おさんという女と一夜を共にし、そのからだに心根に、ぞっこん惚れ込んでしまった。おさんは、体に目の細やかな神経の網が潜んでいるように、異常に敏感で、事に及んだときは、おさんにも歯止めが効かないほどになり、参太もそれに溺れてしまった。そして、遂にはおさんに結婚を決めていた相手がいたことも知らずに、おさんを説き伏せて、親方の許しを得て所帯を持つまでになった。ある日、おさんは「江戸に連れて行って欲しい」とお願いをした。参太は聞き入れるが、ひとつ気がかりなことがあった。それは、事の最中におさんが口にした男の名だ。その時は、おさんに男が出来たと思ってかっとなって、問い詰めてしまうくらいだ。おさんは「死んだお父っつぁんの名がそうだったわ」とにわかに信じがたいことを言ったが、嘘をついている素振りもない。
心に引っ掛かりを覚えながらも、参太はおさんと連れ立って江戸へ旅立つのだが……